She ain't coming. They was late. I seen him. Them books. 規則のある本物の英語ですが、標準英語ではありません。
このレッスンで学ぶこと
非標準英語は、めちゃくちゃな英語でも「壊れた」英語でもありません。さまざまな英語の方言を話す何百万人もの人に共有された、一貫した独自の規則に従っています。標準英語は、学校で教えられ、改まった文章や試験で求められる種類の英語にすぎません。非標準の形は標準とは違いますが、同じように規則的です。ただ、社会的な受け止められ方が異なります。
日本語でも同じことがあります。「見れる」「食べれる」のようなら抜き言葉や、各地の方言は、どれもはっきりした規則があり、話し言葉では広く使われています。それでも、改まった文章や試験では標準的な形が求められますね。なお、英語には言葉の「正しさ」を決める公的な機関がありません。“standard English” は、実際の使われ方や辞書、文法書にもとづく慣習で、特にイギリス英語とアメリカ英語という、同じように正しい複数の標準があります。
“ain't” は、おそらく最もよく知られた非標準の形です。文によって主に am not、isn't、aren't、hasn't、haven't の代わりになる、使い道の広い否定の短縮形です。洋楽や海外ドラマ、映画ではしょっちゅう耳にします。だからこそ、どこで使ってよくて、どこでは使わないのかを知っておくことが大切です。
多くの非標準の方言では、標準英語のように主語に合わせて動詞の形を変えるのではなく、どの主語にも同じ形を使います。いちばんよくある例は、単数にも複数にも “was” を使う形です。
日本語の動詞は主語によって形が変わらないので、日本語話者にとって “they was” は自然に出てきやすい形です。ネイティブの方言にも実際にある形ですが、試験や改まった文章では間違いとして扱われます。標準英語では、複数の主語には were を使います:“They were late.”、“We were hoping you'd come.”
非標準の話し言葉では、標準英語で過去形を使うところに過去分詞を使うことがあります。2つの形が1つにまとまってしまうのです。不規則動詞を単純にしようとする傾向で、日本語のら抜き言葉が可能の形を単純にしているのと少し似ています。
標準英語では “I saw him yesterday” と言います。yesterday のように終わった過去の時点を表す語があるときは過去形です。「昨日彼を見た」を “I have seen him yesterday” とするのも誤りです。already と一緒に使う場合、イギリス英語では現在完了形(“He has done it already”)が好まれ、“He did it already” は主にアメリカ英語でよく使われます。どちらも標準英語で、非標準なのは “He done it” だけです。
一部の非標準の英語では、標準英語で “those”(「あれらの〜」「その〜」)を使うところで、複数名詞の前に “them” を置きます。標準英語の “them” は目的格の代名詞(“I like them”、「私はそれらが好きです」)だけで、名詞の前に置く指示語にはなりません。
非標準の形は、くだけた会話や方言では自然ですが、改まった文章や試験、ビジネスの場では誤りとみなされます。ビジネスメールに方言やら抜き言葉を書かないのと同じです。
「パーティーでは誰も見かけなかった」:標準英語では否定は1つで十分です。didn't + anybody、または saw + nobody にします。二重否定は英語にも存在しますが、方言やくだけた話し言葉の非標準の形です。
日本語の動詞は主語によって形が変わらないため、was をすべての主語に使ってしまいがちです。方言には実際にある形ですが、標準英語では they / we / you の後は were です。
非標準の形には、それ自体の文法があります。標準英語の「壊れた」版ではなく、別の種類の英語です。日本語の方言が「間違った日本語」ではないのと同じです。
「標準/非標準」と「フォーマル/カジュアル」は別のものさしです。とても改まった文章では完全な形を使いますが、isn't のような短縮形が方言の特徴になることはありません。
日本語の「誰も〜ない」「何も〜ない」は、「誰も」「何も」と動詞の「〜ない」を組み合わせて否定を作る
日本語話者にとっていちばん大事なポイントです。「誰も見なかった」を、単語帳の「誰も=nobody」と「見なかった=didn't see」をつなげて訳すと “I didn't see nobody” になります。「何も持っていない」なら “I don't have nothing” です。英語では、これはただの間違いではなく、“I ain't got no money” と同じ非標準の方言の特徴そのものです。試験や改まった文章では誤りとされます。標準英語では否定は1つだけです:“I didn't see anybody” / “I saw nobody”、“I don't have anything” / “I have nothing”。
日本語にも「標準語」と「方言」、そして話し言葉で広く使われるら抜き言葉のような形がある
この感覚がそのまま役に立ちます。方言やら抜き言葉が規則的なのに改まった場面では避けられるように、“I seen” や “they was” も規則的ですが非標準です。理解はできるようにしておき、試験や改まった文章では使わないようにしましょう。ただし注意点が2つあります。まず、英語には公的な基準を決める機関がなく、標準は実際の使われ方や辞書、文法書から生まれたもので、イギリス英語もアメリカ英語も同じように正しい標準です。次に、「標準/非標準」と「フォーマル/カジュアル」は別のものさしです。“isn't”、“don't”、“I've” は標準英語で、完全な形よりくだけているだけです。日本語でいえば、です・ます体と「だ」で終わる普通体の違いのようなもので、どちらも正しい日本語です。一方、“ain't”、“they was”、“I seen” は、どんなにくだけた場面でも非標準のままです。
💡 「誰も見なかった」→ I didn't see anybody. 標準英語では否定は1つだけです。
💡 短縮形(isn't、don't)は標準英語です。ain't、they was、I seen、them books は非標準です。
💡 標準英語の them は目的格の代名詞だけです。名詞の前では those を使います。
"You ain't seen nothing yet," she laughed, tossing them books onto the table.
(作者は、登場人物に本物らしい声を与えるために、あえて非標準の形を選んでいます。日本の小説で登場人物に方言を話させるのと同じ工夫です。)
練習問題 1 · 正しい説明を選びましょう
'Ain't' is best described as...
練習問題 2 · 正しい説明を選びましょう
'They was late.' This is an example of...
練習問題 3 · 標準英語の形を選びましょう
'I seen him yesterday.' In standard English, this would be...
練習問題 4 · 標準英語の単語を選びましょう
'Them books are mine.' In standard English, 'them' here would be replaced with...
練習問題 5 · 正しい説明を選びましょう
Non-standard English forms like 'ain't' and 'them books' are...
練習問題 6 · 標準英語の形を選びましょう
'He done it already.' In standard English, this would be...
練習問題 7 · これらの形が自然に使われる場面を選びましょう
Non-standard grammatical features are most likely to appear naturally in...
練習問題 8 · 標準英語の形を選びましょう
'We was hoping you'd come.' The standard-English equivalent is...
練習問題 9 · 標準英語に書き直しましょう
Rewrite in standard English: 'She ain't got no time for that.'
練習問題 10 · 標準英語に書き直しましょう
Rewrite in standard English: 'I never seen them books before.'
練習問題 11 · グループに分けましょう
0 / 8 分類済み
練習問題 12 · よくある間違い:「誰も〜ない」を否定2つで訳す
Japanese: "オフィスでは誰も見かけなかった。" Which English translation is standard English, as expected in an exam?
5つの短い問題で、覚えたことを確認しましょう。
問題 1 / 5
スコア:0/0
Non-standard English forms should be understood as...
レジスターと文体:全体像(Register and Style)
論文からチャットまで、英語の文体(レジスター)は「かたい」と「くだけた」の間のグラデーションです。名詞化、受動態、短縮形、省略を、相手と目的に合わせて使い分けましょう。
ていねいさと言い方のやわらげ(Politeness and Softening)
Could you…?、I was wondering if…、I'm afraid…。「〜していただけますか」「あいにく」のように、英語でもお願いや悪い知らせを角を立てずに伝えます。
フォーマルな英語とカジュアルな英語
英語には敬語がありません。purchase と buy、Dear Sir or Madam と Hey のように、単語・短縮形・決まり文句で丁寧さの度合い(レジスター)を表します。
ヘッダーとテール(Headers and Tails)
That woman, she's my teacher. He's nice, that guy. 話し言葉で話題を先に出したり後から補ったりする形を、日本語の「〜は」や倒置と比べて学びます。