ていねいさと言い方のやわらげ(Politeness and Softening)

B1 · 中級文体とフォーマル度

Could you help me? I was wondering if you could. I'm afraid... 相手との距離を少しとることで、やわらかく感じよく聞こえます。

このレッスンで学ぶこと

  • could と would が can と will よりていねいなわけ:日本語の「よろしかったでしょうか」と同じ「距離」の感覚
  • I was wondering if... や Do you think you could...? のような間接疑問文が、相手に断る余地を残してお願いをさらにやわらげるしくみ
  • I was wondering if... の後は疑問文の語順にせず、ふつうの文の語順(if you could)にすること
  • I'm afraid、unfortunately、I don't want to be rude, but... で悪い知らせ・反対意見・指摘をやわらげる方法
  • Please をつけても命令文は「指示」のまま。英語には日本語のような敬語の活用がないので、文の形でていねいさを出すこと
  • please と付加疑問(Close the door, would you?)は「ていねいな頼み方」のレッスン、控えめな意見(I think, sort of)は「ヘッジ表現」のレッスンで扱います

距離をとって、やわらかくする

英語のていねいさの多くは、自分と「ほしいこと」「言いたいこと」とのあいだに少し距離をとることで生まれます。動詞の形や質問の形を少し「遠く」、間接的にすると、頼んでいる内容や事実が同じでも、短く直接的な言い方よりやわらかく、押しつけがましくなく聞こえます。

日本語は敬語や「〜ていただけないでしょうか」「〜かなと思いまして」のような表現で、もともととても間接的な言語です。ところが英語になると、学校で習った Can you…?、Please + 命令文、I want… くらいしか手持ちがなく、日本語のときよりずっと直接的になってしまう人が少なくありません。英語には日本語のような敬語の活用がないので、ていねいさは文の形そのもの(could/would、間接疑問文、クッション言葉)で見せる必要があります。

"Can you help me? → Could you help me?(よりていねい)"
"Help me. → I was wondering if you could help me.(ずっとていねい)"

間接疑問文で、さらにていねいに

お願いを間接疑問文(I was wondering if...、Do you think you could...?、Would it be possible to...?)にすると、さらにやわらかくなります。日本語の「〜していただけないかと思いまして」「〜は可能でしょうか」に近い感覚です。

語順に注意しましょう。if の後ろは、ふつうの文の語順(if you could)のままです。標準的な英語では、直接の疑問文のように could you と入れ替えたりはしません。先に習った疑問文の語順につられて “I was wondering could you help me.” としないようにしましょう。“Do you know where is the station?” ではなく “Do you know where the station is?” になるのと同じルールです。

もう1つ、Would you mind...? の後ろは -ing の形です:“Would you mind opening the window?”(to open ではありません)。mind は「気にする・嫌だと思う」という意味なので、「いいですよ」と答えるときは “No, not at all.” や “Sure.” と言います。日本語の感覚で「はい」のつもりで “Yes.” と答えると、「はい、嫌です」と聞こえてしまいます。

"I was wondering if you could call me back."
"Do you think you could send the file today?"
"Would it be possible to reschedule?"

悪い知らせや反対意見をやわらげる

I'm afraid、unfortunately、I don't want to be rude, but... のような表現は、相手にとってうれしくない知らせや、反対意見・指摘を言う前のクッションになり、相手に心の準備をする時間を与えます。ここでの I'm afraid は「怖い」ではなく、日本語の「あいにく」「申し訳ありませんが」「残念ながら」にあたります。

日本語では「明日はちょっと…」と最後まで言わずに断ることがよくありますが、英語では文を途中で止めても気持ちは伝わりにくく、かえって相手を困らせます。クッションをつけたうえで、はっきり言い切りましょう:“I'm afraid I can't make it tomorrow.”

また、“That's wrong.” のように前置きなしで指摘すると、英語ではかなりきつく聞こえます。I think...、might be...、not quite... などを使い、クッションをつけて言いましょう。

"I'm afraid we're fully booked that evening."
"I don't want to be rude, but I think there's an error in the invoice."

注意

✗Would you mind to open the window?
✓Would you mind opening the window?

mind の後ろは -ing の形です。to + 動詞の原形にはしません。

✗A: Would you mind opening the window? B: Yes, of course.
✓A: Would you mind opening the window? B: No, not at all.

mind は「嫌だと思う」なので、Yes は文字どおりには「はい、嫌です」の意味になり、相手を迷わせます。「いいですよ」は No, not at all. や Sure. です。

✗Give me a coffee, please.
✓Could I have a coffee, please?

「コーヒーをください」の直訳です。please をつけても命令文は命令のまま。お店では Could I have…, please? と言います。Can I get…? も特にアメリカ英語でよく使われます。

✗I want a table for two.
✓I'd like a table for two, please.

「〜がほしいのですが」は I'd like(= I would like)。I want は頼みごとでは要求がましく聞こえます。

✗I was wondering could you help me.
✓I was wondering if you could help me.

標準的な英語の間接疑問文では if が必要で、その後はふつうの文の語順(you could)です。

Tomorrow is a little…ここではやや不自然
✓I'm afraid I can't make it tomorrow.

「明日はちょっと…」のように途中で止めても、英語では断りの意味が伝わりにくいです。I'm afraid でやわらげて、最後まで言いましょう。

✗Send me the report now.(よく知らない取引先に)
✓Would it be possible to send me the report at your earliest convenience?

仕事の相手やよく知らない人への直接の命令は失礼に聞こえます。日本語で敬語を使う場面では、英語では間接的なお願いの形にしましょう。

✗That's wrong.
✓I don't want to be rude, but I think that might be incorrect.

前置きなしの指摘は、英語ではきつく聞こえます。クッション言葉は内容を変えず、口調だけをやわらげます。

日本語と比べてみよう

日本語でも「〜してもらえますか」より「〜していただけますか」「〜していただけませんか」のほうがていねいで、「よろしかったでしょうか」のように過去の形でやわらかさを出すこともあります

英語の could と would も同じ「距離」の考え方です。“Could you help me?” は “Can you help me?” よりていねいで、“Would you like some coffee?” は “Do you want some coffee?” より感じよく聞こえます。違いは、英語には日本語のような敬語の活用がなく、you も1つだけだということ。友だちには “Can you…?” で十分ですが、知らない人や仕事の相手には “Could you…?” が安心です。

日本語の「コーヒーをください」「2名の席がほしいのですが」は、お店で使うふつうのていねいな言い方です

そのまま “Give me a coffee, please.” や “I want a table for two.” にすると、英語では命令や要求に聞こえます。please をつけても命令文は命令のままです。お店では “Could I have a coffee, please?”、“I'd like a table for two, please.”、会計は “Could we have the bill, please?”(イギリス英語)/ “Could we get the check, please?”(アメリカ英語)と言いましょう。なお、“A coffee, please.” のように名詞 + please だけの言い方は命令文ではないので、英語でも問題ありません。

日本語では「あいにく」「申し訳ありませんが」で悪い知らせをやわらげ、「ちょっと…」と言葉をにごして断ることもあります

「あいにく」「残念ながら」は英語の “I'm afraid” と “unfortunately” にぴったりです:“I'm afraid the flight is cancelled.”(イギリス英語のつづり)/ “I'm afraid the flight is canceled.”(アメリカ英語のつづり)。ただし、英語では「ちょっと…」で止めずに、クッションをつけたうえで最後まで言います。そしてクッションなしの断り(“We can't refund this.”)は冷たく聞こえることがあります。

💡 知らない人や仕事の相手には Can you…? より Could you…?。「〜していただけますか」の感覚です。

💡 please をつけても命令文は「指示」のまま。ていねいに頼むなら疑問文にしましょう。

💡 I was wondering if… の後はふつうの語順:if you could。

💡 Would you mind + -ing:Would you mind opening…?(to open ではありません)。「いいですよ」は No, not at all.

💡 「あいにく」「申し訳ありませんが」→ I'm afraid…。「怖い」の意味ではありません。

実際の場面:同僚にちょっとしたお願いをする

"Sorry to bother you — I was wondering if you could take a quick look at this before the meeting?"

"Sure, no problem. Send it over."

"Thanks so much. And I'm afraid it's a bit urgent — would it be possible by 2?"

練習

練習問題 1 · よりていねいな文を選びましょう

Which sounds more polite/less direct?

練習問題 2 · よりていねいな文を選びましょう

Which sounds more polite?

練習問題 3 · 正しい説明を選びましょう

'I was wondering if you could help me.' This structure is...

練習問題 4 · ていねいな間接疑問文を完成させましょう

Complete the polite indirect question: 'Do you think ___ possible to reschedule?'

練習問題 5 · いちばんていねいな悪い知らせの伝え方を選びましょう

Which softens bad news most politely?

練習問題 6 · 正しい働きを選びましょう

'I don't want to be rude, but I think there's a mistake here.' This phrase functions to...

練習問題 7 · 正しい語順を選びましょう

Which is the correct word order in an indirect polite question?

練習問題 8 · 正しい説明を選びましょう

'Would' and 'could' sound more polite than 'will' and 'can' mainly because...

練習問題 9 · お願いをよりていねいに言い換えましょう

Make this more polite using an indirect question: 'Can you send me the file?' (start with 'I was wondering if')

練習問題 10 · 悪い知らせをやわらげましょう

Soften this bad news politely: 'The flight is cancelled.' (start with 'I'm afraid')

練習問題 11 · グループに分けましょう

Could you help me?
Help me.
Would you mind closing the door?
Close the door.
I was wondering if you could call back later.
Call back later.
I'm afraid we can't refund this.
We can't refund this.

0 / 8 分類済み

練習問題 12 · よくある間違い:「コーヒーをください」の直訳

Japanese: "コーヒーをください。" (ordering politely at a café). Which English request sounds polite?

クイックチャレンジ

学んだことを5つの問題で確認しましょう。

問題 1 / 5

スコア:0/0

'Would it be possible to reschedule the call?' This is an example of...

学んだこと

  • could と would は、距離をとることで can と will よりていねいになります。日本語の「よろしかったでしょうか」と同じ感覚です。
  • 間接疑問文(I was wondering if...、Do you think you could...?)は、お願いをさらにやわらげます。
  • 間接疑問文の if の後は、ふつうの文の語順:if you could。
  • I'm afraid(あいにく)や I don't want to be rude, but... は、悪い知らせや反対意見のクッションになります。
  • 英語には日本語のような敬語の活用がありません。please をつけても命令文は「指示」のままなので、ていねいに頼むなら疑問文とクッション言葉を使いましょう。
  • このレッスンは「ていねいな頼み方」(please と付加疑問)のレッスンを補うもので、内容はくり返していません。
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