That woman over there, she's my teacher. He's really nice, that guy. 話題を最初に示すか、後から付け足して明確にするか。会話でよく使う2つの形です。
このレッスンで学ぶこと
実際の会話では、文全体を前もって組み立ててから話すことはほとんどありません。ヘッダーとテールは、そのための左右対称の工夫です。ヘッダーはまず話題を名詞で示し、それを代名詞で受け直します。テールはまず代名詞で話し始め、最後に「だれ・何のことか」をはっきりさせます。
うれしいことに、これは日本語の話し言葉にとても近い形です。「この歌、大好き」「あの人、先生なんだ」のように話題を先に出すのはヘッダーに、「いい人だよね、あの人」「すごいね、お姉さん」のような倒置はテールにそっくりです。ただし大きな違いが1つあります。日本語では「それ」「彼女」を言わなくても文になりますが、英語では話題を受け直す代名詞が必要です。
ヘッダー(header。文法用語では left dislocation=左方転位)は、話題(長く複雑な名詞句であることが多い)を主節の前で示し、主節の中で代名詞を使ってそれを受け直します。こうすると、聞き手は続きを聞く前に何の話かがわかります。日本語の「〜は」「〜って」で話題を出す感覚に近いものです。
ポイントは代名詞です。日本語では「あの人、先生なんだ」「私の兄、ベルリンに住んでるんだ」と主語を言わずに済みますが、英語のヘッダーでは主節に代名詞が必要です:“That woman over there, she's my teacher.”、“My brother, he lives in Berlin.”。he を省いて “My brother, lives in Berlin.” とはしません。代名詞を入れないなら、コンマも取ってふつうの文(My brother lives in Berlin.)にしましょう。
目的語の場合も、ヘッダーでは代名詞で受け直します:「この歌、本当に大好き」→ “This song, I really love it.”。なお、代名詞なしで目的語を前に出す “This song I really love.” という言い方もありますが、これは強調のための別の形で、ヘッダーではありません。
テール(tail。文法用語では right dislocation=右方転位)は逆の順番です。まず代名詞で話し始め、最後に名詞句を付け足して、だれ・何の話だったかを補ったり確認したりします。話している途中で「説明が足りないな」と気づいたときによく使われます。
日本語の倒置「すごいね、あなたのお姉さん」がそのまま参考になります。ただし英語では、文の最初にも主語の代名詞が必要です:“She's brilliant, your sister.”(“Is brilliant, your sister.” は誤り)。人には he / she を使い、空いた主語を it で埋めないようにしましょう:“He's a great cook, my dad.”(“It's a great cook, my dad” は誤り)。物なら it で大丈夫です:“It's a great movie, that one we watched.”
ヘッダーやテールは会話では自然ですが、改まった文章ではくだけすぎて不自然です。日本語でも報告書に「同僚、報告書を早く仕上げたんですよ」とは書きませんね。主語をそのまま書きましょう。
日本語の「あの人、先生なんだ」は主語がなくても文になりますが、英語のヘッダーには受け直す代名詞が必要です。代名詞を使わないなら、コンマを取ってふつうの文にします:That woman over there is my teacher.
「すごいね、お姉さん」の倒置をそのまま訳すと主語が抜けます。テールでも、文の最初に主語の代名詞が必要です。
人について説明するときは he / she で受けます。it を人に使うのは、“Who's that?” — “It's my dad.” のように、だれなのかを特定するときなどに限られます。
日本語の話し言葉では、「この歌、大好き」のように話題を先に出したり、「いい人だよね、あの人」のように倒置したりするのはごく自然です
ヘッダーとテールは、まさにこの感覚です。くだけた会話で使い、改まった文章では使わないという点も日本語と同じです。ただ、英語では日本語ほど頻繁には使いません。1回の会話に1、2回なら自然ですが、毎文使うと不自然に聞こえます。
日本語では主語や目的語を省略できます:「この歌、本当に大好き」「あの人、先生なんだ」「すごいね、お姉さん」
英語のヘッダー・テールでは、名詞句を主節の中で代名詞を使って受け直します:“That woman over there, she's my teacher.”、“She's brilliant, your sister.”、“This song, I really love it.”。特に主語の代名詞は省けません(“That woman over there, is my teacher.” や “Is brilliant, your sister.” は誤り)。代名詞は実際のものに合わせ、人なら he / she、物なら it です。人を it で受けて “It's a great cook, my dad” とはしません。
💡 「あの人、先生なんだ」→ That woman, she's my teacher。ヘッダーを受け直す代名詞を省略しません。
💡 「いい人だよね、あの人」→ He's really nice, that guy。テールでも最初に主語の代名詞を。
💡 人には he / she、物には it。
💡 ヘッダーとテールは会話用。改まった文章では使いません。
"So who was that at the door?"
"Oh, that guy from downstairs, he was just returning my package."
"He seems nice."
"Yeah, he's always really helpful, that guy."
練習問題 1 · 形の名前を選びましょう
'That woman over there, she's my teacher.' The noun phrase at the start, repeated by 'she,' is called...
練習問題 2 · 形の名前を選びましょう
'He's really nice, that guy.' The noun phrase at the END, repeating 'he,' is called...
練習問題 3 · 働きを選びましょう
Headers (left dislocation) typically function to...
練習問題 4 · 働きを選びましょう
Tails (right dislocation) typically function to...
練習問題 5 · 形の名前を選びましょう
'My brother, he lives in Berlin.' Which pattern is this?
練習問題 6 · 形の名前を選びましょう
'She's brilliant, your sister.' Which pattern is this?
練習問題 7 · 正しい説明を選びましょう
Headers and tails are typically...
練習問題 8 · 受け直す代名詞を選びましょう
'This song, I really love it.' The header 'This song' is repeated in the main clause by...
練習問題 9 · ヘッダーを使って書き換えましょう
Rewrite using a header (left dislocation): 'My neighbor is really loud.' (start with 'My neighbor,')
練習問題 10 · テールを使って書き換えましょう
Rewrite using a tail (right dislocation): 'He's a great cook.' (end with the noun phrase 'my dad')
練習問題 11 · グループに分けましょう
0 / 8 分類済み
練習問題 12 · よくある間違い:受け直す代名詞を省く
Japanese: "あそこにいる女の人、私の先生なんです。" — Japanese needs no subject pronoun here. Which English sentence with a header is correct?
5つの短い問題で、学んだことを確認しましょう。
問題 1 / 5
スコア:0/0
'The guy who lives upstairs, he's really friendly.' This is an example of...
談話標識(Discourse Markers)
well、you know、I mean、anyway、actually など、会話の流れを整える英語のつなぎ言葉。日本語の「まあ」「つまり」「とにかく」とどう対応するかを確認します。
あいまい表現(Vague Language)
stuff、or something、and so on、around、give or take。会話でわざとぼかす英語の表現と、正式な文章では避けるべき理由、「スタッフ」の落とし穴を学びます。
程度をやわらげる副詞(Downtoners)
slightly、a bit、rather、somewhat、fairly で形容詞や動詞の強さを下げる方法。「少し疲れた」が “I'm little tired” にならない理由も解説します。
ヘッジ表現(Hedges:言い方をやわらげる)
I think、I guess、sort of、probably など、意見や指摘、反対意見をやわらげる英語のヘッジ表現。「〜と思います」の使いすぎにも注意します。