基本ルールを超えた、冠詞を決めるいくつかの上級パターン。「残念です」や「いい天気」など、日本語から訳すときに冠詞が抜けやすい表現を中心に整理します。
このレッスンで学ぶこと
a/an/the の基本ルールのほかに、英語には1つずつ覚えておきたい上級パターンがあります。文の中で一時的に数えられる名詞になる抽象名詞、the が必要な決まった表現、そして名詞が数えられるかどうかで a がついたりつかなかったりする感嘆文です。
日本語には冠詞も複数形もないので、「この名詞は数えられるか」「1つに決まるか」を英語で考える習慣をつけることが大切です。特に注意したいのは2つです。1つは「残念です」「なんてきれいな夕日!」のように日本語では何もつかない表現で、英語では a が必要になること。もう1つは news、advice、information、knowledge、weather のように、日本語の感覚では数えられそうなのに英語では不可算名詞になる単語です。
knowledge、pleasure、shame、understanding などの名詞は、ふつうは不可算名詞です。でも、形容詞がついてある特定の「場合・程度・種類」を表すときは a をとります。pleasure、shame、pity、relief は “it was a pleasure” のような決まった表現では a が必ず必要です。knowledge や understanding では a がよくつきますが、必須ではありません。
"She has a good knowledge of French." — good で説明された、ある程度の知識を表しています。a のない “good knowledge of French” も正しい英語です。ただし、複数形の “knowledges” は間違いです。前置詞は of を使う点にも注意しましょう。
"It was a pleasure to meet you." — 「今回お会いできたこと」という1回の具体的な喜びを表しています。「お会いできてうれしかったです」には冠詞がないので “It was pleasure” と言いがちですが、決まった表現として a ごと覚えましょう。
「残念です」も同じです。日本語には何もつきませんが、英語では “It's a shame.” / “It's a pity.” と a が必要で、“It's shame” とは言いません。“It was a shame you couldn't come.”(来られなくて残念だった)のように使います。感嘆文の「なんて残念!」も “What a shame!” / “What a pity!” です。
最上級(best、most important)、序数(first、last)、そして only や same には the がつきます。説明に当てはまるものが1つに決まるからです。日本語の「一番の」「最初の」「最後の」「唯一の」「同じ」がついたら、英語では the が必要になると覚えておきましょう。
"This is the best restaurant in town." — 最上級です。「町で一番のレストラン」を “This is best restaurant” としないように注意しましょう。
"That was the only mistake he made all year." — only(唯一の)です。「同じ時間に」も “at the same time” で、the が必要です。
「初めて」にも注意が必要です。「寿司を食べるのはこれが初めてです」は “This is the first time I've ever tried sushi.” と言います。the first time のあとは、現在形ではなく現在完了形(I've ever tried)を使います。また、「先週」「来年」は the をつけずに last week、next year と言います。the last は「(一連のものの)最後の」という意味です:the last chance、the last week of June。
決まった表現の例外もいくつかあり、意味が変わります:an only child(一人っ子)、a second chance(再挑戦の機会)、a most interesting talk(とても興味深い講演)。
such と what は、単数の可算名詞の前では a をとり、不可算名詞や複数形の前では a をとりません。
"What a beautiful sunset it was!" — sunset は可算名詞で単数なので a がつきます。日本語の「なんてきれいな夕日でしょう!」には冠詞がないので “What beautiful sunset!” と言いがちですが、間違いです。学校で習う “How beautiful!” の形(How +形容詞)と混ぜて “How beautiful sunset!” としないようにも注意しましょう。“What a mess!”(なんて散らかっているんだ!)、“What a relief!”(ああ、ほっとした!)も同じパターンです。
"What nice weather we're having!" — weather は不可算名詞なので a はつきません。「いい天気ですね」から “a nice weather” と言ってしまう間違いはとても多いので、weather には a をつけないと覚えましょう。同じように、news や advice も不可算名詞です:“What good news!”、“such good advice”。“a good news” や “advices” とは言いません。
語順にも注意しましょう。「こんなにすてきなサプライズ」は “such a nice surprise” です。such が a の前に来ます。“a such surprise” や “a so nice surprise” とは言わず、a を落とした “such nice surprise” も間違いです。
「なんてきれいな夕日!」には冠詞がありませんが、sunset は単数の可算名詞なので、英語の感嘆文には a が必要です。
「残念です」をそのまま訳すと a が抜けがちです。shame や pity はこの表現では a をとります:It's a shame、It's a pity。
「いい天気」でも、weather は不可算名詞なので a はつきません。“It's a nice day today.” と day を使うのもとても自然です。
news は -s で終わっていても不可算名詞で、a はつきません。advice、information も同じです。
it was a pleasure、it's a shame、what a relief などの決まった表現では、抽象名詞に a が必要です。
「町で一番の」のような最上級には the をつけます。当てはまるものが1つに決まるからです。
surprise は単数の可算名詞なので such a にします。such が a の前に来ます。
knowledge は不可算名詞なので複数形になりません。a good knowledge of または good knowledge of と言います。
「なんてきれいな夕日でしょう!」「残念!」「なんて散らかってるの!」のように、日本語の感嘆表現には冠詞にあたるものがありません
英語では、名詞が単数の可算名詞なら a が必要です:“What a beautiful sunset!”、“What a pity!”、“What a mess!”。a がつかないのは、不可算名詞や複数形のときだけです:“What nice weather!”、“What beautiful flowers!”。「その名詞は英語で数えられる? 単数?」と考え、そうなら what a を使いましょう。「残念です」も同じで、“It's a shame.” / “It's a pity.” と a をつけます。
日本語には可算・不可算の区別がなく、「いい天気」「いい知らせ」「アドバイスを2つ」「知識」と自由に言えます
英語では news、advice、information、knowledge、weather は不可算名詞で、a も複数形の -s もつきません:“What good news!”、“such good advice”、“What nice weather!”。knowledge は、形容詞がついて「程度」を表すときに “a good knowledge of French” となりますが、“knowledges” にはなりません。“a nice weather”、“a good news”、“advices” は日本語話者によくある間違いです。
「こんなにすてきなサプライズ」「とてもおもしろい本」のように、日本語では程度を表す言葉を形容詞の前に置くだけです
英語で単数の可算名詞を強めるときは、such a +形容詞+名詞の語順にします:“such a nice surprise”、“such an interesting book”。“so nice surprise”、“such nice surprise”、“a such surprise” は間違いです。so を使うなら “The surprise was so nice.” のように名詞を後ろに置かない形にするのが自然です(“so nice a surprise” という形もありますが、文語的です)。
「一番の」「最初の」「最後の」「唯一の」「同じ」は、日本語ではそれだけで「1つに決まる」ことを表します
英語では、これらの言葉といっしょに the を使います:“the best restaurant”、“the first time”、“the last chance”、“the only mistake”、“at the same time”。最上級に a をつけた “a best restaurant” は間違いです。ただし「先週」「来年」は the をつけずに “last week”、“next year” と言います(“the last week” は「(ある期間の)最後の週」や「この1週間」という別の意味になります)。
💡 感嘆文で、名詞が単数の可算名詞なら what a:What a sunset! What a pity!
💡 「残念です」→ It's a shame / It's a pity。a を忘れずに。
💡 weather、news、advice、information、knowledge は不可算名詞。a も -s もつきません:What nice weather! What good news!
💡 「一番の」「最初の」「唯一の」「同じ」→ the。ただし「先週」は last week で the なし。
"How did it go? It was a pleasure just to meet the team, honestly."
"That's great! Did they ask anything tricky?"
"Just one — the hardest question was about a project I led two years ago."
"What a relief — sounds like it went really well!"
練習問題 1 · 正しい文を選びましょう
Which is correct?
練習問題 2 · 正しい語を選びましょう
It was ___ pleasure to meet you.
練習問題 3 · 正しい語を選びましょう
This is ___ best restaurant in town.
練習問題 4 · 正しい語を選びましょう
That was ___ only mistake he made all year.
練習問題 5 · 正しい語を選びましょう
We arrived at ___ same time.
練習問題 6 · 正しい形を選びましょう
___ beautiful sunset it was!
練習問題 7 · 正しい形を選びましょう
___ nice weather we're having!
練習問題 8 · 文を完成させましょう
Complete: It was ___ shame you couldn't come to the party. (one word)
練習問題 9 · 文を完成させましょう
Complete: This is ___ first time I've ever tried sushi. (one word)
練習問題 10 · 単語を並べ替えましょう
練習問題 11 · 間違いを直しましょう
Fix the mistake:
練習問題 12 · よくある間違い:「残念です」の a が抜ける
Japanese: "あなたが来られなかったのは残念です。" Which English translation is correct?
5つのクイズで、学んだことを確認しましょう。
問題 1 / 5
スコア:0/0
She showed ___ deep understanding of the topic.
総称と特定(Generic vs Specific Reference)
「犬は忠実だ」は Dogs are loyal。Dog is… でも The dogs are… でもありません。種類全体を言うときと、特定のものを言うときの冠詞の使い分けを整理します。
地名・人名と冠詞(the をつける?つけない?)
Japan、Paris、Texas は冠詞なし、the Nile、the Alps、the United States は the つき。「〜川」「〜山」などの日本語の地名がヒントになります。
無冠詞(Zero Article)
Dogs are loyal. She speaks Japanese. 一般論、食事、言語、go to school などでは冠詞をつけません。the をつけすぎる間違いや「犬が好き」の言い方も確認します。
冠詞 a、an、the の基本
日本語にない冠詞 a、an、the の使い方。a と an は文字ではなく音で選ぶこと、the を使う場面、“I'm teacher” や “an advice” の誤りを解説します。