“I don't have no money” ではなく “I don't have any money.”。否定の動詞のあとには、もう1つの否定語ではなく any のつく語を使います。
このレッスンで学ぶこと
標準英語では、1つの節に否定語は1つだけです。否定の動詞(don't、can't、isn't など)には、それだけで否定の意味を持つ語ではなく、any のつく語(any、anybody、anything、anywhere、ever)を組み合わせます。
実は、日本語もよく似た仕組みです。「何も見なかった」の否定は、動詞の「なかった」の1か所だけで、「何も」自体は否定語ではありません。英語の “I didn't see anything.” も、否定は didn't だけで、anything は「何も」にあたります。つまり、「何も」「誰も」「どこにも」は any のつく語、「ない」は not だと考えればぴったりです。
落とし穴は、学校で「nothing = 何も〜ない」と覚えることです。nothing は「何も」と「ない」の両方を1語で表しているので、さらに don't をつけると否定が2回になります。「何も欲しくない」は “I don't want nothing” ではなく、“I don't want anything” か “I want nothing” です。
二重否定は、いくつかの方言やくだけた話し言葉には実際にあります(歌や映画で耳にするでしょう)。でも標準英語、つまり文章・試験・仕事では、誤りとされます。
例外として、2つの否定がわざと打ち消し合う言い方は英語でも正しいです(“It's not unimportant”)。日本語の「大事じゃなくはない」「〜しないわけではない」に似ていますね。このレッスンで扱うのは、もう1つのケース、つまり2つの否定語で1つの「ない」を表してしまう間違いです。
同じことを言う正しい方法は2つあります。否定の動詞+any のつく語(“She didn't say anything.”)か、否定語+肯定の動詞(“She said nothing.”)です。この2つを混ぜると二重否定になります。don't、can't、didn't、haven't と書いたら、「何も」は anything、「誰も」は anybody/anyone、「どこにも」は anywhere になる、と覚えましょう。
日常会話では、not+any のつく語のほうが自然なことが多いです。特に can のような助動詞のあとや、長い文ではそうです。“We can find it nowhere.” は正しいですが、硬くて不自然に聞こえます。ふつうは “We can't find it anywhere.” と言います。
「決して」「一度も」の never も、それだけで否定語です。never を使ったら、ほかの部分は any のつく語にします:「誰にも一度も言わなかった」→ “We never told anybody”。“We never told nobody” は誤りです。また、never に don't をつけることもしません:“He never goes anywhere”。“He doesn't never go” は誤りです。
「誰も電話してこなかった」のように、否定語が主語になるときは、否定語だけを使い、動詞は肯定にします:“Nobody called.” “Nobody didn't call” は二重否定です。また、日本人学習者によくある “Anybody didn't call.” も誤りです。any のつく語は、ふつう否定の動詞より前(主語の位置)には置けません。主語なら nobody / no one を使います。
hardly、scarcely、barely は「ほとんど〜ない」「かろうじて」という意味です。それ自体がほぼ否定の意味を持っているので、動詞は肯定のままにします:「彼のことはほとんど知らない」→ “I hardly know him.”
日本語の「ほとんど〜ない」は、「ほとんど」と「ない」の2語でできているので、両方を訳して “I don't hardly know him” としがちです。でも hardly だけで「ほとんど〜ない」です。同じように、「彼女にはあなたの声がほとんど聞こえない」は “She can hardly hear you” で、“She can't hardly hear you” ではありません(英語では hear に can をつけることが多い点にも注意しましょう)。
hardly や barely のあとも、not のあとと同じように any のつく語を使います:「彼女はほとんど何も食べない」→ “She barely eats anything.” なお、hardly は「一生懸命に」という意味ではありません。「一生懸命働く」は work hard です。
don't も no も否定です。「お金がない」は、don't+any か、肯定の動詞+no のどちらかで言います。
「何も欲しくない」の「何も」を nothing、「ない」を don't と両方訳した形です。nothing だけで「何も〜ない」なので、“I don't want anything” か “I want nothing” にします。
「誰も見なかった」:didn't のあとでは、「誰も」は anybody か anyone です。“I saw nobody” とも言えます。
「どこにも見つからない」:否定はすでに can't にあるので、「どこにも」は anywhere です。
「誰にも一度も言わなかった」:英語では否定語は never の1つだけにして、「誰にも」は anybody にします。
「誰も電話してこなかった」を語順どおりに訳した形です。主語には nobody を使い、動詞は肯定にします。
hardly だけで「ほとんど〜ない」という意味です。日本語の「ない」の分まで can't にする必要はありません。
日本語の「何も」「誰も」「どこにも」は、それだけでは否定になりません。否定は動詞の「〜ない」の1か所だけです
これは英語の not+any のつく語と同じ仕組みです。「何も言わなかった」→ “She didn't say anything”、「ここには誰も知り合いがいない」→ “We don't know anybody here”。「何も」を nothing、「誰も」を nobody と訳すと、否定の動詞と合わせて否定が2回になってしまいます:“She didn't say nothing”、“We don't know nobody here” は誤りです。
学校英語では「nothing = 何も〜ない」「nobody = 誰も〜ない」「never = 決して〜ない」とセットで覚えます
この訳には、すでに「〜ない」が入っています。つまり nothing、nobody、nowhere、never を使ったら、動詞は肯定のままです:“I saw nothing.”、“He never goes anywhere on weekends.” 動詞を否定にしたいなら、これらを any のつく語に置きかえます:“I didn't see anything”、“He doesn't ever go anywhere”。“He doesn't never go” は誤りです。
「誰も来なかった」「誰も電話してこなかった」:日本語では「誰も」が主語でも、否定は動詞につきます
英語では、主語の位置に any のつく語+否定の動詞は置けません。“Anybody didn't come” や “Nobody didn't call” ではなく、否定語を主語にして動詞は肯定にします:“Nobody came.”、“Nobody called.” 複数の否定語が続く日本語の文も、英語では最初の1つだけを否定にし、残りは any のつく語にします:“I never said anything to anybody.”(誰にも一度も何も言わなかった)。
💡 「何も〜ない」= not… anything、「誰も〜ない」= not… anybody、「どこにも〜ない」= not… anywhere。
💡 nothing、nobody、nowhere、never はそれだけで「〜ない」を含みます。動詞は肯定のままにしましょう。
💡 主語が「誰も」なら Nobody+肯定の動詞:Nobody called.
💡 hardly、barely、scarcely =「ほとんど〜ない」。not はつけません。
"Have you found your keys?"
"No, I still can't find them anywhere."
"Did anyone check under the couch?"
"I looked — there was nothing there."
練習問題 1 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 2 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 3 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 4 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 5 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 6 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 7 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence.
練習問題 8 · 標準英語の文を選びましょう
Choose the standard English sentence — 'hardly' is already near-negative.
練習問題 9 · 二重否定を直しましょう
Fix the double negative: 'I don't want nothing.'
練習問題 10 · 二重否定を直しましょう
Fix the double negative: 'She can't hardly hear you.'
練習問題 11 · グループに分けましょう
0 / 6 分類済み
練習問題 12 · よくある間違い:「何も」「誰にも」を否定語で訳す
Japanese: "私は誰にも何も言いませんでした。" Which translation is correct standard English?
5つのクイズで、学んだことを確認しましょう。
問題 1 / 5
スコア:0/0
Choose the standard English sentence.
否定疑問文(Don't you…? / Isn't it…?)
Don't you…? や Why didn't you…? の語順と、日本人がいちばん迷う答え方「Yes, I did. / No, I didn't.」を整理します。Why don't we…? の誘い方も。
no、never、nobody、nothing の否定
「誰も来なかった」は Nobody came。nobody、nothing、never などは1語で否定になるので、動詞は肯定のまま。“Anybody didn't come” の間違いもここで解決します。
not を使った否定文
日本語は「〜ない」をつけるだけですが、英語の not は be動詞や助動詞にくっつきます。一般動詞には don't/doesn't/didn't。“She isn't like…” の間違いも解消します。
疑問文の応用(前置詞が文末に来る疑問文・否定疑問文)
Who are you talking to? のように前置詞を文末に残す疑問文と、驚きや同意を表す否定疑問文。はい・いいえの答え方の違いも押さえます。