時制の一致(Backshift)

B1 · 中級間接話法

“I work here,” she said. → She said she worked there. said のあとでは、伝える内容の時制を1つ過去にずらすのが基本です。

このレッスンで学ぶこと

  • 伝える動詞が過去形(said、told)のとき、伝える内容の時制はふつう1つ過去にずれる
  • 現在形 → 過去形、現在進行形 → 過去進行形、現在完了形 → 過去完了形
  • 過去形 → 過去完了形。助動詞も変わる:will→would、can→could、may→might、must→had to
  • すでに「いちばん過去」の形(過去完了形、would、could、might、should)は変わらない

なぜ時制が変わるのか

人が言ったことを過去形の動詞(said、told)で伝えるとき、伝える内容の動詞は、ふつう1つ過去にずれます。これを「時制の一致(backshift)」と呼びます。その人が話したときから時間がたっていることを、動詞の形で示すのです。

ここは日本語と感覚が逆になるので注意が必要です。日本語では「彼はそこで働いていると言った」「電話すると言った」のように、「〜と言った」の中は話したときのままの時制で言います。英語では、そのまま “He said he works there” とするのではなく、“He said he worked there” のように過去にずらすのが基本です。「日本語は元の時制のまま、英語は1つ過去へ」と覚えておきましょう。

""I work here," she said. → She said she worked there."

時制の変化の一覧

現在形 → 過去形。現在進行形 → 過去進行形。現在完了形 → 過去完了形。過去形 → 過去完了形。現在完了進行形 → 過去完了進行形。過去進行形 → 過去完了進行形(“I was watching TV.” → “He said he had been watching TV.”。ただし会話では過去進行形のままのことも多いです)。be going to の場合は be だけが変わります:“I am going to visit them.” → “She said she was going to visit them.”

日本語の「〜している」「〜していた」は、英語のいくつかの時制をまとめて表します。「働いていると言った」は “I work”(ふだん働いている)から来ていれば worked、“I am working”(今働いている最中)から来ていれば was working です。日本語訳から考えるのではなく、その人が実際に言った英語の時制から1つずらしましょう。

伝える時点でもまだ本当のこと(“He said he works there”:今もそこで働いている)を強調したいときは、時制を変えないこともあります。また、伝える動詞が現在形なら時制は変わりません(“He says he works there”)。会話では、出来事の順番がはっきりしていれば “She said she finished it.” と過去形のままにすることもよくあります。それでも said のあとでは、ずらした形が安全な選択で、練習問題でもずらした形が正解になります。

""I work here." → He said he worked there."
""I am studying." → She said she was studying."
""I have eaten." → He said he had eaten."
""I finished it." → She said she had finished it."

実際の英語

"He said he had been waiting for an hour."
"She said she might be late."
"He said he had to finish it that day."
"She said she was going to visit them."

注意

✗He said he works there.
✓He said he worked there.

日本語の「働いていると言った」につられて現在形を残しがちです。said のあとでは、現在形はふつう過去形になります。今も本当だと強調したいときだけ現在形のままにします。

✗He said he will call me.
✓He said he would call me.

「電話すると言った」でも、英語では will を would にずらします。電話がまだこれからで、それを強調したいときだけ will が残ります。

✗She said she can help.
✓She said she could help.

助動詞も時制の一致の対象です。「手伝えると言った」→ could です。

She said she may come.ここではやや不自然
✓She said she might come.

「来るかもしれないと言った」は、said のあとでは might が基本です。

✗He said me he would call.
✓He told me he would call.

「私に言った」を said me とは言えません。say のすぐあとに人は来ません(“He said (that)…”)。だれに言ったかを示すときは tell を使います:“He told me…”。

✗She said she had had finished it.
✓She said she had finished it.

過去形は過去完了形に1回ずらすだけです。すでにずらした形に、もう1つ had を足さないようにしましょう。

日本語と比べてみよう

日本語では「〜と言った」の中の時制は、話したときのままです:「彼はそこで働いていると言った」

日本語の時制は「話したとき」を基準にしますが、英語では said の過去に合わせて全体をずらします。「働いていると言った」→ “He said he worked there”、「電話すると言った」→ “He said he would call me”。学校で習う「時制の一致」は、まさにこの日本語との違いを埋めるためのルールです。

「〜している」「〜していた」は、英語の複数の時制に対応します

「勉強していると言った」は “I am studying” → was studying、「テレビを見ていたと言った」は “I was watching TV” → had been watching です。日本語の形だけを見て決めるのではなく、元の英語の時制を確認してから1つずらしましょう。

「〜かもしれない」は may にも might にも使えます

元の文が “I may come” なら、said のあとでは might になります:“She said she might come.”。元が might なら、すでに過去の形なので変わりません:“I might be late.” → “She said she might be late.”

💡 日本語の「〜と言った」の中は元の時制のままですが、英語では said に合わせて1つ過去にずらします。

💡 「〜している」は worked にも was working にもなります。元の英語の時制から考えましょう。

💡 「〜かもしれない」の may は might に。すでに過去の形(had done、would、could、might)なら変わりません。

💡 「私に言った」は said me ではなく told me です。

実際の場面:お医者さんは何と言っていた?

"What did the doctor say?"

"She said I had a mild infection and that I should rest for a few days."

"Did she say if you needed medicine?"

"Yeah, she said she would send a prescription to the pharmacy."

練習

練習問題 1 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

Present simple → ? : 'I work here.' → He said he ___ there.

練習問題 2 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

Present continuous → ? : 'I am studying.' → She said she ___ studying.

練習問題 3 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

Present perfect → ? : 'I have eaten.' → He said he ___ eaten.

練習問題 4 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

Past simple → ? : 'I finished it.' → She said she ___ finished it.

練習問題 5 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

'Will' → ? : 'I will call you.' → He said he ___ call me.

練習問題 6 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

'Can' → ? : 'I can help.' → She said she ___ help.

練習問題 7 · 時制をずらした正しい形を選びましょう

'Must' (obligation) → ? : 'I must leave.' → He said he ___ leave.

練習問題 8 · 正しい文を選びましょう

Choose the correctly backshifted sentence for: 'I am going to visit them.'

練習問題 9 · 動詞の時制をずらしましょう

Backshift the verb: 'I was watching TV.' → He said he ___ TV.

練習問題 10 · 動詞の時制をずらしましょう

Backshift the verb: 'I may come.' → She said she ___ come.

練習問題 11 · グループに分けましょう

works → worked
worked → had worked
will → would
works → has worked

0 / 4 分類済み

練習問題 12 · よくある間違い:「〜すると言った」で will を残す

Japanese: "彼は私に電話すると言いました。" Which English sentence is the correctly backshifted report?

クイックチャレンジ

5つのクイズで、学んだことを確認しましょう。

問題 1 / 5

スコア:0/0

Present perfect continuous → ? : 'I have been waiting.' → He said he ___ waiting.

学んだこと

  • 伝える動詞が過去形なら、伝える内容の時制はふつう1つ過去にずれます。日本語の「〜と言った」とは感覚が逆です。
  • 現在形 → 過去形、現在進行形 → 過去進行形、現在完了形 → 過去完了形。
  • 過去形 → 過去完了形、過去進行形 → 過去完了進行形(had been watching)。
  • will→would、can→could、may→might、must→had to(または must のまま)。
  • すでにいちばん過去の形(過去完了形、would、could、might、should)は変わりません。
  • 「私に言った」は He told me で、He said me とは言いません。
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